里山保全
・産経新聞 2008/3/27
今、日本各地で様々な循環生活が見直されてきており、日本大学生物資源科学部の地域共生デザイン研究室では、教授の糸長氏が行政・専門家・地域住民の三位一体で行う地域づくりを推奨し、農産村の資源である自然・風土伝統文化を活かし、持続可能な暮らしを取り戻す支援を各地で行っている。糸長氏は、25年に渡り、山形県飯豊市を支援し、豪雪地帯のこの町に、暖房を灯油から、環境に優しく、二酸化炭素の削減効果もあるとさせる固形燃料木質ペレットに転換する計画を進めている。木材ペレットは、地元で生産され、一般家庭や事業所にペレットスストーブを配置し、「エネルギーの地産地消」を目指す。このように地元の木材利用は、山林の適性管理となり、しいては里山保全にもつながる仕組みになっている。また、神奈川県相模原市藤野町の篠原地区では、廃校の小学校を微生物による汚水浄化システムにし、地産の木材を使用し改築。育児支援や住民の憩いの場などとして復活させた。集落の人々が一致団結し、なくなりつつある集落を今後も守っていってほしいものである。