南禅寺の松くい対策
・産経新聞 2008/3/3
京都市左京区にある南禅寺の境内にある松は、江戸後期の漢学者頼山陽が「一帯の青松路迷わず」と漢詩によむなど美しい並木で知られている。しかし10年ほど前から松くい虫の被害が目立ち始め、冬場に治療をおこなっている。そしてこの冬も治療を終え暖かい春を迎える準備が整った。松くい虫の正体は、「マツノザイセンチュウ」と呼ばれる約1ミリの病原虫である。この病原虫は松の皮を食べるカミキリムシに寄生することで松に感染する。南禅寺で行っているのは、冬の治療としてカミキリムシが活動始める前に薬剤の入ったプラスチック容器を何個も幹に刺して注入をする方法である。このほかに殺虫剤の空中散布や枯木をカミキリムシともに焼却する方法があるが、人家がないところに限られて行える方法である。また、昨秋の厳しい残暑の影響で今春はさらにカミキリムシが増える恐れがあるという。