貧困と森林保護
・読売新聞 2008/1/19
大量の二酸化炭素を吸収するアマゾンの森林破壊は、地球温暖化を加速する。そして森林破壊も止まらない。アマゾン川流域の都市サンタレン。この都市はアマゾンを南北に貫く幹線国道「BR163」の北の起点である。また、森林破壊により、大豆畑や牧場が拡大したため「大豆街道」ともいう名もある。この大豆街道を南へ下るとアマゾン横断道路と合流する。2本の沿道では、大規模農家が大豆畑を拡大する一方、点在している小集落は寂れ、貧しい入植者達は取り残されている状態である。移民村では、カカオ・黒コショウなどの商品作物を作っても、大消費地から離れているため、販路がなく、自給自足がやっとの状態である。その結果、生活苦になり、違法伐採に手を染める農民が出て来て、森林破壊へと繋がるのである。アマゾン開発は、欧米の自動車産業大量のタイヤ用ゴム需要により、19世紀末~20世紀初めに始まった。日本は戦後、資金や技術支援を通じ、80年代以降の大豆栽培の拡大を後押しした。環境省アマゾン担当事務局長アンドレ氏は、「違法伐採に手を染めず、森林を守る人が経済的に報われる仕組みが必要だ。そのためには、資金や技術で、日本を始めとする先進国に協力してほしい。」と話している。