皇居の森を調査
・日本経済新聞 2008/1/8
ほぼ樹齢300年の巨木群が衰退期を迎えつつある、皇居・吹上御苑などの森の管理方針を策定するため、宮内庁は、来年度から本格的な樹林調査を実施することが決定した。調査結果を元にした報告書が作成され、天皇・皇后両陛下に説明する予定である。。吹上の森は江戸時代から成育し続けている、ケヤキ、ムクノキ、スダジイ、タブノキなどがあり、その多くの巨木は寿命を迎えつつあり、皇居は、孤立した環境下にあるため、果実を運んでくるネズミ類がおらず、後継の木が育ちにくい状況である。また、巨木が枯れた後に成長の早い別の樹木が進入してくる可能性も考えられ、そうなると森の様相が変わってしまう可能性があるため、適切な維持・管理を行う必要がある。それにはまず、植生図を作成し、樹林を区域分け、それぞれの管理策を作り、植物個体調査で貴重な絶滅危惧種にある、ヒキノカサなど、保護すべき植物や、逆に抑制すべき植物を調べ管理方針を立てなければならないのである。来年度は、1年をかけて吹上御苑の調査を実施。次年度からは、赤坂御苑、東御苑を調査し、3カ年にわたる調査が行われる予定である。