菊炭ボランティア職人
・産経新聞 2008/1/5
炭焼き職人の高齢化と原木のクヌギの荒廃により、衰退を辿っていた北摂地域特産の「菊炭」を守る活動が活発化している。菊炭は、切り口が満開の菊の花の様に見えるのが特徴で、灰が白く粉雪のように残ることから、茶の湯の世界では、最高級の炭とされ、千利休や秀吉が使っていたとされている。現在職人が5人で大半は80代。炭焼き釜も最盛期の明治期も60基から8基にまで減少した。このような現状を伝えるべく、2004年NPO法人シニア大学が「菊炭体験講座」を開講し、生産技術を学ぶ実習を実施。後に、危機を感じた参加者23人がボラティア団体を立ち上げた。菊炭の生産は、釜中の空気量の微妙な調整など高度な技術が必要。ボランティアらは、現役炭焼き職人から技術を学んだ。その結果、昨年までに専用釜の「宝菊釜」など2基を設置。工芸品も手がけるまでとなった。ボランティア職人は、今では総勢50人になった。今後は、生産増を目指し、新たな釜を製造する計画もある。