森林保全と水源
・日本経済新聞 2008/1/1
森から生まれ、海に流れる水。水を中心とした環境保全活動が繋がって行く。人工林は適度に間伐されることで、山の保水力が保たれる。山梨県にある「笹子の森」も間伐され、富士山麓の山中湖の水源林となっています。山中湖からは掛川が伸び、他の支流と交じり合い神奈川県に入ってからは「相模川」と名前をかえる。そして、一旦はダムに蓄えられ、最後には相模湾にたどり着く。「大槻森つくり会」では6年前から、約30人がつきに数回ほど民有林での下草刈りや間伐をおこなっている。いずれも所有者の高齢化が進む民有林である。またNPO法人「相模川倶楽部」は河川敷へのごみ投棄の監視活動をつづけている。海岸ではNGO「JEAN クリーンアップ事務局」によると年間10万トンを超えると推定されるゴミが漂着するという。これらのゴミの実に8割が陸上からのゴミである。森からはじまり、川を流れ、海にたどり着く水。広い視点の環境への取り組みが求められている。