屋久杉長寿秘訣
・読売新聞 2007/12/22
屋久島はハイビスカスやバナナが平地で露地栽培でき、これらの植物と雪山を一緒に写真に撮れる珍しい場所で、世界的な多雨地でもある。屋久島に降った雨は地中に染み入ることなく、急峻な山肌を下り、2~3日で海へ戻る。しかもミネラル分を溶かしにくい花こう岩でできているため、島の水はミネラル分が少ない軟水になる。島の植物は、こんな栄養分の少ない水を吸っているから成長が遅い。しかし、成長が遅いことにより、腐りにくいセルロースでできた年輪がびっしり詰まり本土の植物に比べ、長生きで大きくなるのである。また、雑菌が繁殖しにくい水の性質も長寿の一因である。屋久杉だけでなく、本土では2~3mの高さにしかならないサクラツツジやシャクナゲなどのツツジ科の植物が、お化けのように成長するのも、雨のおかげである。