いちょう
・日本経済新聞 2007/12/9
排ガスや台風に強く、街路樹として優れ、街路樹の顔ともいえるイチョウ。その歴史は、人類よりもはるかに古く、驚くべきことに、恐竜が分布していた中世代には、世界中に分布していた。しかし、気候変化に伴う、生存競の敗北で中国南部にひっそりと生き残っていた時代もあった。日本に渡ってきたのは、室町時代以前といわれ、17世紀に来日した、ドイツ人医師により、欧州に広がりを見せた。「人間が維持し、復活させた植物だ。」このように、中央大の西田教授は話す。また、古くから幹や枝から垂れ下がる「乳」と呼ばれる部分に触れると母乳がよく出るなどと言う言い伝えがイチョウにはあり、神聖な木として寺社に盛んに植えられていたそうだ。街路樹の顔イチョウ。他の街路樹に敗北せず、これからも、地位を守り続けていってほしいものである。