「バイオ」で被害熱帯雨林
・毎日新聞 2007/12/2
インドネシア・バリ島で気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)が開幕するスマトラ島中部のリアウ州クアラチナク、見渡す限り黒く焦げた大地が広がっていた、その中で植えられて間もないアブラヤシの苗木が風にそよいでいた「ここのような泥炭層は多量の炭素を蓄えている。それが、伐採による破壊で大気中に放出されてしまった」地元NGOの人は語る植物が湿地などに堆積して出来た泥炭層には、地球全体で二酸化炭素2兆トン分の炭素が蓄えられている。インドネシアでは森林伐採による泥炭層破壊で年間約20億トンの温室効果ガスが放出される。同国の排出量は化石燃料使用だけなら世界20位前後だが、泥炭層からの放出分も含めれば米国と中国に次いで3位となるアブラヤシ栽培のため開発業者は熱帯林からラワンなど有効な木を伐採し、泥炭層の水を排出するため水路を掘る水に浸かっていた泥炭層の成分が酸素に触れて分解されることでメタンや二酸化炭素などの温室効果ガスが放出される仕組みだ。アブラヤシ災害の障害となる草木を焼き払う際、泥炭層も燃え、さらに二酸化炭素が出る主に食用油や洗剤などに使われてきたパーム油はバイオディーゼルの原料として需要が急増
環境団体関係者は「パーム油の輸入制限など何らかの措置を取らなければ森林破壊は続く」と指摘し、COP13での議論に期待を寄せている