ダム撤去で森再生
・読売新聞 2007/10/30
群馬県みなかみ町北部に位置する「赤谷の森」。ここは利根川水系の赤谷川がながれ、イヌワシ、クマタカ、ツキノワグマなどが生息する自然豊かなところである。この自然を住民、自然保護団体、林野庁の3者で共同管理するというユニークな取り組みが行われている。これはこの森を6区域に分け、総合的保全・利用を目指すプロジェクトである。20年ほど前にこのあたり一帯にはスキーリゾート開発、ダム建設の構想がもちあがったが、日本自然保護協会の調査で希少動物の存在が判明し、反対運動が高まった。よって2000年に頓挫した。その後、日本自然保護協会理事の横山氏らが、国有林を管理する関東森林管理局に連携呼びかけをし2004年に両者は協定をかわした。象徴的な事業として17基ある治山ダムの一部撤去がある。自然再生の効果や安全性などをみながら数十年かけて撤去を拡大していくということである。このほかにも自然と共生できるよう森再生に向けて、長い年月をかけた観察実験が行われている。