白神山地入山制限でブナ保全
・毎日新聞 2007/10/25
秋田県と青森県にまたがる白神山地、総面積13万ヘクタール。このうち17000ヘクタールが人の手による影響をほとんど受けていない原生的なブナ林が広がっている。林野庁藤里森林センターの原嶋所長によると、1万年以上前、この地域はナラの森だったという。気候変動によって、ナラからブナに置き換わったという。1993年には日本最初の世界遺産に登録され、ブナを主体とした世界最大規模の原生的な落葉広葉樹林で価値が評価された。この世界遺産登録で知名度が上がり観光客が増え、入山者が増え、森が荒れることを懸念して、秋田県では、人の影響をほとんど受けていない核心地域への入山を原則禁止。青森県では、事前に森林管理署長に届出を義務付けるなどして入山を制限。自治体、ボランティアの地元住民などがパトロールも実施しているため、14年たった今も大きな問題はおきていないという。しかし、ブナは冷温帯植物のため地球温暖化の影響を受けやすいという。また、成長が遅く、大きくなるのに100-150年を要するため、現在の森が失われれば回復不可能である。