生態系破壊 人間が加速
・日本経済新聞 2005/2/7
国連による「ミレニアム生態系アセスメント」と呼ばれる95カ国、1300人以上の科学者が4年がかりでまとめた世界初の地球規模の生態系評価報告書が発表された。 報告書によると、1950年からの40年間で森林や草地の14%が消失、過去20年の間にマングローブ林の約35%が破壊されている。淡水域の生態系破壊も激しく、現在残る湿地は1900年ごろの半分だけ、世界中の主要な河川の半分以上が深刻な水質汚染や水不足に見舞われている。過去100年に分かっているだけで約100種類の鳥や哺乳類両生類が絶滅。この速度は自然に起こる絶滅の速度の1000倍以上になるという。報告書では、今の傾向が続けば2050年までに残された草地や森林の20%が破壊されると予測されている。また地球温暖化がこの傾向をさらに悪化させると予測、大気中の二酸化炭素濃度を450PPMに抑える努力を求めた。 地球生態系の全体像に迫り、自然の劣化をはっきりと示した報告は、今後の政界の環境政策立案上、重要なよりどころとなるだろう。