聖武天皇の木簡
・産経新聞 2007/10/23
奈良県文化財研究所は22日、昭和38年に平城宮跡から出土した、木簡群の中の小型木簡が聖武天皇の愛用品であり、香入れの木製容器の付札であった可能性が高いと発表した。木簡は、天皇が起居した内裏北東にあたる役所のゴミ箱から1785点発見されたもので、年代は、記載された木簡から、聖武天皇が在位していた奈良時代の中期ごろと推測されている。また、今年6月には重要文化財に指定された。今回、再度解読を行ったところ、当初「搗香 漬□」と読まれていたものが香入れの木製容器という意味を持つ「搗香 櫃(とうこうひつ)」と読めることが判明。また、「御殿内火爐(かろ)一口」と記載された木簡は火爐=香炉と解釈した。今回、天皇にこれだけ身近な出土木簡の確認は初めてで、「正倉院宝物の落とし物」といえる、新発見となった。