地震に強い!?伝統工法
・読売新聞 2007/10/22
コンクリートの上に土台を固定・柱と梁などの横架材との接合部分を金物で補強するなどで頑丈に建築している在来工法よりも、柱脚を礎石に乗せ金物を使用しない、日本古来の伝統工法の方が地震の揺れをかわし、地震に強いことがわかった。茨城県つくば市の防災科学研究所と京都大防災研究所は、震動台の上に屋根の構造を変えた伝統工法の家、2棟を建設し、震度7の地震動で揺らす実験を今年1、2月に実施した。いずれも、柱脚が礎石の上を滑り地面の急速な動きを建物に伝えにくくする免震効果が働くなどの結果が得られ、耐震性が高いという結果となった。また、こうした結果は、今年7月の中越地震でも実証されている。しかし、伝統工芸の建物でも、シロアリなどによる接合部の傷み、1階と2階のバランスが悪い、伝統工法の建物を在来工法で増築・補強したりすると耐震性が低下することもわかってきた。鈴木教授は「伝統工法の建物を補強する際には、柔らかくしなるという伝統工法の持ち味を損なわないことが重要である。」と話している。