宮大工育成
・日本経済新聞 2007/9/19
最近、日本のモノづくりの現場で技能伝承のあり方が問われている。宮大工の加藤組(大阪府富田林市)の社長であり、棟梁歴半世紀のキャリアを持つの加藤氏は、弟子入り11年目の大江さんの仕事姿を見て、技能伝承のあり方を考えている一人である。1400年もの間、続いている宮大工は、「五年で加工、十年で墨つけ」といわれる。それは、釘を使用せず、神社・仏閣を建てる宮大工では、曲線の多い部分をしっかり加工できるようになるまで5年、設計にあわせ木材を切り出すための印をつける墨つけを任せるには10年が必要だからである。宮大工の技術伝承では、見て覚え、努力することなどの自主性だけでなく「技量にあった仕事を段階的にどう与えていくかが大事。」だと言われている。また、宮大工だけでなく、元請けである金剛組でも技術伝承が行われており、入社46年目の植松氏は後輩たちにアドバイスをし続けている。次代に日本の伝統技術を残すために、加藤氏らは日々奮闘し続けている。