木簡でお遊び
・読売新聞 2007/9/23
奈良文化財研究所の研究で、奈良・平城宮跡で出土した、奈良時代の木簡の中に「くじ引き札」とみられるものが多数あることがわかった。「くじ引き札」はヒノキ材を折ったもので、木簡には、「浅緑糸」や「中緑絹」など前に色、後ろに品目を記している。続日本紀に、くじで繊維製品などを賜ったという記述もあり、当時の役所で開いた宴会で、繊維製品を景品にし、くじ引きを楽しんだと思われる。これまでは、繊維製品の整理用の付札とされてきたが、筆跡から一人が一時に書いたと見られることや、「取色」=「選び取る」という意味にとれる異質な木簡見つかったことが今回の決め手となった。同研究所の渡辺室長は、「役人たちが一喜一憂した姿が浮かび興味をそそられる」と話している。