合格祈願 小枝に託し
・日本経済新聞 2005/2/5
東大植物園の梅林は様々な品種が集められているため、長い期間花を楽しむことができる。万葉集の時代までは、詩人が讃えるのは梅、桜は古今集以後である。また、梅といえば、学問の神様、菅原道真である。菅公ご自身の文書に梅が頻出するわけではない。後に特別の物語が普及したためであり、かくして、天満宮は梅と不可欠である。さらに、梅の季節は受験のころ。学問の神様にすがりたい受験生は物語で菅公が好きだったと決めた梅に頼って、大吉のおみくじをその小枝にまきつけるのである。