街中の森
・日本経済新聞 2007/8/24
大阪府大東市の産業機器メーカー「昭和電機」の本社工場は、2004年の新築時、オーナーの「雑木林にしたい」との構想で、広さ約2000平方メートルの屋上に人工土壌を敷き詰め170本の木を植えた。坂口満男経営管理部長は、「今では500本を超え、雑木林に近づいている。空調の消費電力も10%以上抑えることができた」と話す。休み時間や就業前後に訪れた社員を癒やす花壇や菜園、ハーブ園もある。2000年代に入ってから大都市圏の自治体が相次いで打ち出した市街地緑化の一環である屋上庭園は、ヒートアイランド現象の緩和が目的である。室内庭園においても、2005年8月に三菱地所が、約420平方メートルの店内をほぼ半分を植栽スペースとした「大手町カフェ」を開店した。こうした室内庭園は、都会の公共施設から病院、ホテルでも見られるようになった。また、「エコロジーガーデン」を展開する竹中庭園緑化は、「観葉植物によって空気を浄化するとともにリラクゼーションの効果もある」とし、大阪大学大学院工学研究科の小林昭雄教授は「人間と植物がともに快適な空間を創造したい」と話した。