アマゾンのバイオ燃料
・日本経済新聞 2007/8/25
ブラジルが誇る世界最大の森林地帯アマゾンでは、密林の所々が大きく刈り取られた光景が広がる。政府・環境再生可能天然資源院サンタレン事務所のダニエウ・コエンカ所長は「木材の輸出を目当てにした違法伐採が後を絶たない」と憤る。木を切った後は牛を放牧したり、作物を植える。こうして貴重な熱帯林が失われていくのである。元凶としてやり玉に挙がるのが大豆である。近年、密林を切り開いた土地でも大豆は育てられ、バイオディーゼル燃料向けとして需要が増えている。アマゾンでは2002年から毎年、東京都の10倍にもなる2万平方キロ以上の熱帯林が失われてきた。貴重な生き物が多いアマゾンの熱帯雨林の減少は、地球全体にとって深刻な問題である。