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新聞からの木の豆情報

雪に映える清楚な赤

・毎日新聞  2005/2/9
紅葉で知られる百済寺の境内では、どこに立っても一回転すれば10本は山椿が見える。小さい木を含めれば紅葉より多い、1000本はゆうにある。古いものは樹齢が300年にもなる、全て種が落ちて育つ実生で増えていった。しかしそれだけでなく、寺は椿を大事にしたようだ。百済寺は学問の寺で1200人が起居していたが、織田信長の焼き討ちで僧院がことごとく焼けてしまった。いたるところに残る約300程の石積みが当時の面影を残す。椿は根が深く伸び石垣が崩れるのを防ぐ、いわば石垣強化剤の役割をしている。椿にはたくさんの種類があるが、その中でも山椿はシンプルで一重の花びらで、清楚でありながらあでやかである。山茶花と似るが幹が白っぽいのが椿、うっそうと茂った木々の中で日が差したときに葉が光って見えるのも椿である。「椿は雪の上にぽろぽろ落ちているのもいい 春の彼岸を過ぎて木が真っ赤に染まるのもいい」と百済寺の住職は話す。

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