森へつながるダム撤去
・読売新聞 2007/8/27
群馬県みなかみ町北部に広がる国有林「赤谷の森」に流れる赤谷川の支流・茂倉沢を約1時間かけて登ると、古いコンクリート製の高さ約7メートル、幅約25メートルの治山ダムがある。早ければ来年から、沢を分断していたダムを部分撤去して、上流から土や砂が流れ、下流からは魚などが自由に上れるようにする工事が始まる。これは木材生産一本やりの国有林から、野生生物も共存できる持続的な国有林への転換をめざす試験的事業である。治山ダム撤去は前例がないだけに、その効果を具体的に測る方法の開発が課題である。コンピューターでの計算予測のほか、イワナやヤマメなどの水生生物の分布、クマタカの生態調査など、同時に進め、活動成果も合わせて注意深く観察していくという。