廃材木材利用熱い期待
・読売新聞 2007/8/24
バイオ燃料は、地球温暖化対策のひとつとして、世界規模で導入が進んでいる。日本では食料と競合しない廃木材の利用休耕田を使った資源作物の栽培の取り組みが始まっており、二酸化炭素の排出削減に直結する自動車用エネルギーとして、バイオエタノールに期待が集まっている。バイオエタノールとは、生物資源(バイオマス)を原料とするバイオ燃料の一種で、トウモロコシや小麦などの栽培作物系や建築廃材などの廃棄物系を発酵・蒸留して作る植物性エチルアルコールである。一般的には、ガソリンと混ぜて使われる、日本では現在、3%まで混合が可能である。これによって二酸化炭素排出量の削減だけでなく、石油代替によるエネルギーの安全保障にもつながると期待されている。また、廃木材を主原料とする世界初のバイオエタノールとして2007年1月、本格稼動を始めた大阪府堺市の「バイオエタノール・ジャパン・関西」である。発酵しないペントースという糖を多く含むため、採算性が低いとされていたが、遺伝し組み換えの酵母菌を使うことでエタノールの回収率を穀物並みにアップしている。廃木材を原料に、初年度1400kl/年(設備増強後は4000kl/年)のエネルギー製造能力を持ち、この夏の猛暑に、地球温暖化を感じた人は多いはず。ガソリンの混入方式やコスト面の課題も多いが、国産バイオエタノールの普及が担う役割は大きい。