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新聞からの木の豆情報

都市と里山を結ぶ

・日本経済新聞 2007/8/16
兵庫県東部の山間地、篠山市の大山新地区にある「森(いよ)やかの郷」は、緑深い雑木林の中の尾根の上にある。ここにある小屋は、4畳半あり、真ん中に囲炉裏、周囲は透明版となっている。小南美好さんが今年春、仲間と二年がかりで完成させた。「鳥のさえずりに耳を澄まし、夜は満天の星を眺める。仲間との一杯は至福のときだ」と話す。月に2回、小南さんら里山オーナー会のメンバーがここに集まる。国産材の価格低迷や林業従事者の高齢化で手入れが行き届かなくなった民有林を都会の住民に貸し出す仕組みを「オーナー制度」という。大山新地区では2003年に25区画(各一千平方㍍)を五年契約、年間利用料15000円である。オーナーは40-60歳代で、神戸や阪神間の都会住民がほとんどである。ここでは、別々の区画を持つオーナーが互いに協力して作業することになっているという。会の幹事、大谷氏(63)は「初めはそれぞれ自分の区画でやっていたが、山仕事は重労働で、危険もある。そこで『今回は○○さんの区画、次回は△△さんの区画』と決めて一緒に作業するようにした」と話す。このほかに岐阜県富加町の「みの国民参加の森林づくりをすすめる会」では、「マイ・フォレスト会員」と呼ぶ森林オーナー(1区画250平方㍍)は6人、「果樹の森林づくり」会員(1区画100平方㍍)が11人。専用の炭焼き釜を持つ「炭焼き」会員10人、「きのこ栽培」会員6人、と活動内容は多彩である。会員の半数は名古屋、大阪や奈良の人もいる。名古屋市の炭焼き会員、中村氏(71)は「炭は家で乾燥剤や防腐剤として使っている。山を歩いて材料を集め短く切る。いい運動になって、持病の高血圧も治ってきた」と笑って話す。地元との交流も生まれている。マイ・フォレスト・ライフを愉しみつつ、地域経済に貢献するという、都市と里山を結ぶ新たな〝実験〟が今動き出そうとしているのである。

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