京都の森づくり
・日本経済新聞 2007/7/13
京都では、今“木”が注目を浴びている。森づくりでは、地元の企業、大学、文化人らが昨年設立した「京都モデルフォレスト協会」が取り組む、温室効果ガス削減のための森林整備事業が始まった。同協会は、ボランティア活動を希望している企業や市民に間伐などの整備が必要な区域を紹介している。企業が活動に参加した場合、森林整備面積に応じて、事業所の出す二酸化炭素を削減したと認定する。府の条例では、一定規模以上の事務所は二酸化炭素の排出削減が求められており、事務所は利点が得られる仕組みになっている。また、このような取り組みは、ボランティアでやってきた都市部の住民に、田舎の魅力を伝え、衰退が懸念されている林業の復活にも一役買うことになりそうである。森づくり以外の面では、京都の老舗料理店「高台寺和久伝」が今年5月、京丹後市で植樹祭を開き、工業用地の3割を緑地にした。「和久伝の森として緑化し、環境配慮企業としての信頼感も高まるのでは」と桑村社長は話している。植樹祭には、約1500人が集まり、56種、1万8280種の苗木を植えた。