サンゴ再生は森の再生から
・日本経済新聞 2007/7/6
高知県足摺岬の西にある竜串湾には国内でも最大級のサンゴがある。このサンゴは、01年の豪雨による泥を含む濁流により、サンゴの命である光が遮られ、大部分は死滅したものの何とか生き延びたサンゴである。昨年から環境省は溜まった泥を吸引し、泥の下に現れた、死んだサンゴを取り除き、そこに新しいサンゴを移植する作業を開始している。なお、豪雨が泥を含む濁流となった原因は、河川の上流域の約7割はヒノキの人工林であるが、木の間伐の手入れ不足により、下草が生えず斜面が崩壊するという、森の崩壊が原因である。生態系の繋がりの重要性を再認識させられた出来事である。