被爆のアオギリ2世イラクへ
・毎日新聞 2007/3/20
今月20日で、イラク戦争開戦から4年となる。この日を前に、フリージャーナリストの西谷氏は、毒ガスの被害を受け「イラクのヒロシマ」とも言われるイラク北部ハラブジャに、原爆を乗越えてきた、ヒロシマの被爆アオギリ2世の苗木1本を贈呈した。被爆アキギリは、広島市平和記念公園にある木。原爆被害の中でも、たくましく成長し、その姿は、ヒロシマの被爆者に勇気をあたえた。また、平和を願う象徴として、その苗木や種は、国内だけでなく、チェルノブイリ原爆事故の被災地のウクライナを始め世界各国に渡っている。今回、贈呈先であるハラブジャは、88年に約500人が死亡した、毒ガス被害を受けた地域。被害後も戦争が絶えず、今も、多くの住民が毒ガスによる後遺症や貧困などで苦しんでいる。西谷氏は「被爆アキギリは、原爆で枯れかかったものの力強く生き残った。イラクの人たちにも生き抜いて欲しい」と言う気持ちを込めて渡した。今後は、劣化ウラン弾被害が深刻なバスラなどにも贈呈したいという。