最大級の木の埴輪
・朝日新聞 2007/1/25
奈良県高取町教委は24日、同町の前方後円墳「市尾墓山古墳」(国史跡6世紀前半)で高さ2メートル以上の「石見型」と呼ばれる盾型の木製品がみつかったと発表した。今回出土した石見型は高さ2.04メートル、最大幅36センチ、厚み1~2センチで、石見型の出土としては過去最大だ。同古墳は巨勢氏などの豪族の墓だったとみられ、町教委は「被葬者の権威を示すと同時に、墳丘の内外を分け、聖域を示す『結界』の役割があったのではないか」とみている。木の埴輪は腐りやすいため、出土例が少ない。この石見型も上部と下部が朽ちており、もともとは3メートル近くだったと思われる。同時に見つかった笠形の木の埴輪は楕円形で直径約35センチ。2年前には鳥形の胴体部も出土している。鳥、笠、石見で3点セットとされ、埋葬儀礼用に作られ、墳丘のすそ部分に立てられたと考えられている。