出土品のデーターベース
・朝日新聞 2007/1/17
鳥取県埋蔵文化財センターは、青谷上寺地遺跡から出土した弥生時代の建材約7000点のデータベース化をはじめた。インターネットではまず470点を公開している。公開されている建材の中には昨年「魏志倭人伝」に登場する「楼観(物見やぐら)」が実在したことを裏付けたとして話題となった、長さ7.24m(弥生時代最長)の柱材もある。同センターの山枡雅美係長は「発掘調査員はこれまで出土遺物の研究を囲い込む癖があった。片山善博知事が情報公開を掲げており、遺跡調査も積極的に公開したい」と話す。これまで発掘調査の出土品については報告書にまとめ、他都道府県に配布されてきた。しかし、読むのは大変で、閲覧者も限られているため、文化庁の担当者も「データベース化とその公開は例がない。全国から利用できる」と評価している。同庁西山和宏調査官も「弥生時代の建物を復元するためには、出土建材に頼るしかないが、出土品を全国各地へ照会するのに手間がかかった。建築復元の貴重な資料になるだろう」と話す。鳥取県埋蔵文化財センターでは07年度中に7000点すべてをホームページに載せる予定で、その後は土器や鉄器も公開対象としている。