暮らしにある森
・産経経新
聞2007/1/10
■和歌山県みなべ町の炭焼き職人、原氏いわく、炭焼きは焼くだけが仕事ではない。今は原木だけを業者から買う炭焼きも多いが、昔は八馬に入って木を切り出して焼いたという。また、山を作れんと炭焼きでないともいわれた。備長炭の材料となるウバメカシは山の急斜面に生えるが、手際よく倒し、葉と節をナタで落とし2メートルほどにそろえる。どのように切ればいい山になるか、どんな炭が焼きあがるか綿密に計算して行うという。ウバメガシだけを切ってもだめで雑木も切る。つまり山は適度に手入れしなければ、使えなくなるという。
■日本の国土の7割が森林である。世界でもスウェーデンとフィンランドくらいしかない。古来、日本人は森とともにいきてきており、森と友人のようにつきあってきたといわれている。現在荒廃する森に希望を与える試みとして「森林セラピー」があり、森の再生にはこの方法しかないと森林総合研究所の宮崎氏はいう。