石と木の建築文化
・産経新
聞2006/12/31
16世紀以降の東西建築の方向について西洋が石造、東洋が木造と特徴づけると、石造は永久建築を理想とし、木造は部分改築を繰り返す更新建築といえる。その結果、石造建築は老朽化すると廃墟となるしかないが、木造建築は現在にいたるまで引き続き人間の建築への欲求を満たしている。しかし、この2つの文明が文化として発展存続していることを考えるとどちらが優れた選択であるかということは容易に判断できない。これまでの日本の木造建築は、極めて優れた技術的解決方法により、他の文化とは比較にならない洗練された美しさを生み出してきたが、現代建築では木を超える新材料を使いながら、持続的に解体、組立て、循環していくかという取り組みがあまりないことは残念なことである。新技術や新工法を日本の和風文化にうまく取り入れ世界に誇る「新統合建築」を実現すべきと、建築家菊竹氏はいう。