温暖化と森林減少で異変
・毎日新聞 2006/12/25
ケニアのナクル湖国立公園の湖で水際が後退し湖底だった砂地がむき出しのまま固く乾いている。ナクル湖はこの地域特有の塩水湖であり、湖をピンクに染めるのは、ほとんどがフラミンゴの一種コフラミンゴのである。ラン藻がえさとなるため、世界中のコフラミンゴの2/3が集まる貴重な生息地である。ナクル湖はもともと水位の変動が激しい湖であるが、近年は水位が極端に低い年が多いという。これは、地球温暖化の影響としかいえないという。また湖水が少なくなると近隣都市からの雑排水が希釈されないまま、コフラミンゴが汚水を含んだラン藻を食べることになり、大量死が起こると考えられる。2000年日本政府の派遣で現地調査した柿澤教授は、湖の水不足や汚染問題に加え、周囲の森林が減少したことも原因のひとつにあるという。「大量死を防ぐには、適切な排水管理と水源涵養のための森林保全が必要」と指摘する。