「金」「銀」「木」には・・・参拝者が次々交換
・産経新聞 2005/1/12
大阪府藤井寺市の道明寺天満宮では毎年、「初天神」の1月25日に「うそかえ祭」が行われている。 祭りは、人々の危難を救ったという故事にちなみ、身代わり、災難除けの神事とされている。病気などの区事をすべて「うそ」とし、天神さまの「まこと」ととり(鳥)換えるという、開運の縁起をかつぐ意味もあるそうだ。旧年中についた「うそ」をざんげすれば清算できるという、誠にありがたい神事である。 「うそかえ」の本家は福岡県の太宰府天満宮といわれる。「うそかえ神事」と呼ばれ、1月7日、日本3大火祭りのひとつ「鬼すべ神事」と同じ日の酉の刻に行われる。 道明寺では午後11時と午後3時の2回。参拝者はまず、木彫りの「うそ鳥」が入った紙袋を無料で授与される。うそ鳥には「金」「銀」「木」と書かれた”当たり”がある。この時点では中身は知らず、紙袋を頭の上にあげ、「かえましょう」といいながら30分間、次々と交換。太鼓の合図で、そのときに自分の手元にあった紙袋を開封。「金」1人、「銀」15人は御守と交換。「木」50人は木彫りの大きいうそ鳥と交換される。このうそ鳥は、マツの白い丸木でできており、祭りが終わった翌日から、4人の神職が1年かけて1つ1つ手で彫り上げ、色を付けていく。 「うそも方便」で、丸く収めるためにはつかなくてはならないうそもある。しかし、うそ八百を並べて人をだます振り込め詐欺は、もちろん犯罪だ。ウソが清算されるからといって、犯罪が帳消しになるわけではない。念のため。