青江みかん
・毎日新聞 2006/11/8
「青江みかん」とは、1902年、大分県津久見市近郊の青江地区で見つかった温州みかんの突然変異(枝変わり)のみかんである。昭和40年代まで早生みかんといえば「青江」のことだったが、今も昔も姿は変わらないが品種がかわっていたのである。広島県呉市の飛騨さんのところには祖父の代からの受け継ぎという樹齢80年という「青江」が30本ほどある。直径40-50センチ、高さ3メートルである。「青江」は栽培しずらい品種であるが、手をかけた分だけ応えてくれるという。こんなに美味な「青江」がどうしてなくなっていったのかは、色づきの遅さと、青江がもつ祖先返りの性格。これが農家に嫌われたためという。主流となった「宮川」「興津早生」は天辺が色づくと一斉に色づくが「青江」は天辺が色づいても下の方は青いままで、年を越しても色づかないため、市場から敬遠された。また昭和40年代に始まった完全着色出荷の流れに乗れず、剪定管理も難しく、強い芽がでると祖先返りをして、酸っぱく小ぶりな実になる。現在接木で復活を目指す人もいる