曲物の七つ鉢入子
・毎日新聞 2006/10/19
長野県にある奈良井宿は中山道の宿場町である。木曽漆器と曲物の工房で見つけたのが七つ鉢入子。大きさの違う七つの器が全て重なり、身にも蓋にもなる。現在5代目の土川正美さんと息子の英士さんが、木曽ヒノキの薄板を曲げ、桜皮で閉じて底をつけ、漆を何度も刷り込んで作り、美しいツヤとぬくもりが魅力的である。使ってみると軽くて丈夫。また余分な水分を吸うのか、ご飯がツヤツヤして傷みにくい。湿度の高い関西のお客さんに特に喜ばれる、という。蓋は汁物の椀や、お茶を飲むのに使えるのも便利。食べ終われば一つに重ねて小さく収められるのもうれしい。