日本発の緑化方法「粘土団子」
・毎日新聞 2006/10/16
全世界で毎年、九州と四国を合わせた面積が砂漠化している。各国がいろいろな対策を講じているが、気候変動、森林破壊、土壌浸食などの原因がからみあって砂漠化がとまらないのが現状である。このたびケニアで「粘土団子」を使っての砂漠化防止を目指すプロジェクトがスタートした。「粘土団子」とは、日本発の緑化方法であり、植物の種を粘土に包んでまく方法である。ケニアでは家具やまきのため木が切られ、森であった山々は丸裸になっている。そのため、雨が少なくなり、2004年から深刻な干ばつがつづいている。粘土団子は農薬も肥料も必要なく、粘土に混ぜられた種の中からその土地の条件にあった植物だけが育つものである。粘土につつまれていることによって、鳥や虫に食べられること、乾燥から種が守られる。また地面と接した部分では、昼夜の温度差で結露が生じ、種に水分を補給して発芽しやすくなるという。この方法は農業研究家の福岡氏の考案によるものであり、すでにインド、ギリシャ、タイなどで大規模な緑化に効果をあげている。粘土団子の普及には、自然保護団体のほか、女性の地位向上に取り組む現地のNGO「西部女性ネットワーク」が全面的に協力することになった。代表のえみり・アウォリさんは「女性たちは雨が降らなくなったのは森がなくなったためだと、農業をする中で実感している。粘土団子はまたたくまにケニアに広がるでしょう」と話す。