国産の「割り箸」を使おう
・読売新聞 2006/9/13
国産の木材を使った割り箸を積極的に使おうという試みが広がっている。コンビニチェーンや大学生協食堂での利用が進めば、日本の森が健全に育ち、地球温暖化防止にもつながると期待されている。コンビニチェーンのミニストップは奈良県産の「吉野ヒノキ」の割り箸を1膳5円で売り出した。弁当売り場やはし袋に「あなたの5円で一緒に森を育てませんか」などと分かりやすく掲示して購入を呼びかけている。現在は5店で1日平均8膳が売れているという。8年前から徳島や埼玉県材の割り箸をNPO法人「樹恩ネットワーク」(東京)は今秋、新たに群馬県産材の割り箸を発売する。販売先は全国の大学生協食堂。学生の環境問題に対する意識が高まり、2005年度は発売当初の3倍以上となる860万膳が売れたという。林野庁によると国産の木材を使った割り箸の生産量は輸入量の56分の1で、しかも輸入の99.7%が中国からという。日本割り箸輸入業界によると、中国は昨年割り箸の値上げを通告。昨年12月から30%値上げしたその結果、国産の割り箸が見直されることになった。割り箸の生産は、材料となる樹木を伐採するため森林破壊につながると思われがちだが、森を育てる過程で切り出されたものを使うので、国産材の割り箸が売れることは森林の育成に役立つ。日本の森林が荒れているのは、外国の木材に押されて国産材の需要が伸び悩んでいるから。適切に管理された森林は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収量拡大に欠かせない。