中国で巨大木簡群の調査
・日本経済新聞 2006/8/7
中国四川省成都市にある、巨大木棺群の遺跡「商業街船棺遺跡」は2000年に成都市中心部でビルの建設工事中に発見された。成都文物考古研究所によると、9個の船形木棺と8個の木彫り木棺が幅約20メートル、長さ約30メートルの区域の深さ約2.5メートルのところから発見された。いずれもタブノキの大木をくりぬいて作られており、短いものでも約4メートル、最も長いものでは約19メートルあった。また木棺群を覆うように建物が設けられていたと考えられる、木柱を支えるための木製基壇も見つかっている。この船棺遺跡は、地層などから戦国時代(紀元前403~同221年)のものとみられており、前漢時代末の「蜀王本記」と五胡十六国時代の「華陽国志」に記されている蜀の開明王朝の、宗廟とする仮説がでている。今回発見された船形木棺は成都周辺のいくつかの遺跡から見つかっている特異な木棺で、これまでに確認された中で最大である事や、古代の楽器、編鐘を支えるための漆塗り木製品「編鐘漆座」などのそうそうは副葬されない木製品が発掘された事から、葬られた人物が高位だったことを示している。蜀の独自文化を象徴する木棺の蓋などに刻まれた符号も発見されており、船棺遺跡の発見により開明帝の王朝の存在が現実味を帯びてきた。現在木棺群は薬剤散布など保存のための応急処置を施し、仮屋根をかけるなどして発掘当時の状態で保存されている。