5世紀中期の木製鞍出土
・読売新聞 2006/8/9
古墳時代に馬を飼育した「河内の牧」があったとされる大阪府四條畷市の蔀屋北遺跡から、2001年7月に木製の輪鐙、2006年1月に鉄製の轡が出土した。これら2つのものが出土したのと同じ溝跡の別の場所から、5世紀中頃の最古級の木製鞍が出土したことを、8日府教委が発表した。この鞍は幅46.5センチ、高さ27センチ、厚さ4.5センチで、座席の後部に垂直につける「後輪」の一部である。全体に黒漆が塗られており、また幅0.5~0.7センチの帯状の彫刻があり精巧なつくりになっている。下部の「磯金具」と呼ばれる部分に膨らみを持たせており、こういった形状から金属を使った古墳に副葬される鞍を模したとみられる。古墳時代の集落遺跡から実用品の主要な馬具、鐙、轡、鞍が3点セットで出土するのは初めてである。府教委は南山下遺跡(四条畷市)で1986年に出土した馬形埴輪と合わせ、当時一帯で飼育されていた馬の姿をほぼ完全に復元できるようになったと話す。