木製鞍出土
・産経新聞 2006/8/9
大阪府四条畷市の蔀屋遺跡は朝鮮半島からの渡来系の集落で、「河内の馬飼」と呼ばれる国内最初期の馬の飼育場があったとされている。この蔀屋遺跡から古墳時代中期(5世紀中頃)の国内最古級の木製鞍の一部が出土した事を、8日大阪府教委が発表した。鞍は幅46.5センチ、高さ27センチで、「後輪」と呼ばれる背もたれの部分である。鞍を固定するための紐を通す小さな穴が6ヵ所あり、同時期ではあまり例のない金属装飾を模した彫刻が施され、表面には黒漆が塗られていた。この精巧なつくりから、祭祀などの特別な儀式に用いられていたか、有力者が所有していた可能性があると府教委は分析している。これまでに蔀屋遺跡の同じ溝から鐙や轡が見つかっており、実用的な馬具の3点セットが揃う事になり、最古級の馬の飼育場「河内の馬飼」の様子がより明らかになった。