池田炭
・毎日新聞 2006/7/20
菊の花のような断面が特徴の「池田炭」は火力が安定し煙が少ないということから、茶の世界で最高の炭とされ、千利休が愛用したとされている。また歴史深く、室町時代の文献からその名が出てくる。材料のクヌギは大阪、兵庫の北摂山系のものであり、大阪池田で集散されていたためこの名がついた。池田市の久安寺の伝承では、1145年から1870年まで宮中用として献上1595年には豊臣秀吉が同寺で観月の茶会がひらかれたといわれている。山の荒廃、燃料革命、職人の高齢化などで近年生産量が減少し、年間3トンの生産となっている。大阪府は茶道会などと連携し「池田炭づくり支援協議会」を2004年につくり、森づくり、文化の伝承につとめている。府内の職人はわずか3名である。