ニセアカシアと養蜂業者
・毎日新聞 2006/7/18
ニセアカシアの淡い桃色の花から取れるはちみつは、レンゲみつに次ぐ高級品である。しかしこのニセアカシアが、昨年6月に施行された外来生物法で新たな栽培を禁止し、伐採を勧める対象の「特定外来生物」に指定される可能性が出てきた。現在は要注意リストに入っている。国産はちみつ生産量2311トン(2004)のうち約半分がニセアカシアからの採取とされている。特に東日本の養蜂業はニセアカシアで成り立っている。特定外来生物に指定されると、全国の養蜂業者の半分以上が廃業する可能性もあると、日本養蜂はちみつ協会は懸念の声を上げている。しかし昨年8月環境省の要注意リストに、繁殖力が旺盛で日本固有種の生息域を侵すとの理由で掲載された。今年度中に国の作業部会は、現在動植物80種の特定外来生物に、新たに追加指定する種を検討する方針である。環境省は指定されたとしても、伐採を勧めるが、法的には命令権はないと説明するが、指定されれば駆除が基本との方針を新潟県環境企画課は崩していない。要注意リストに入ったことで伐採する自治体も出ており、新潟市では松林を阻害するという理由から間伐を進めている。これに対し新潟県養蜂協会は、ニセアカシアは沿道の大気浄化に役立ってきたし、伐採は地球温暖化対策に逆行するなどとして関係省庁に、伐採をやめるように、また特定外来生物に指定しないことを働きかけている。