熱帯林の農地転換・違法伐採
・毎日新聞 2006/7/24
水の安定供給、生物多様化の維持、土壌の流出防止、二酸化炭素の吸収などに重要な役割を果たしている熱帯林。この熱帯林だが、約1200万ヘクタールが毎年農地や牧草地などに転換される他、違法伐採も行われている。日本など世界59カ国が加盟する国際熱帯木材機関(ITTO)が、保護がおこなわれ、また適切に管理された持続可能な熱帯林の面積を、アフリカ、中南米、アジアなどの計33カ国、世界の熱帯林の約3分の2を対象に調査したところ、2005年時点で全体の約5パーセント、約3600万ヘクタールしかない事が24日までにまとめた報告書で明らかになった。残りの95パーセントは適切な管理がなされておらず、乱開発などの恐れがある。1988年に18カ国を調査した際、持続可能な熱帯林は約97万ヘクタールであった。国連食糧農業機関(FAO)によると2000年時点で、年間約1420万ヘクタールのペースで減少しているという。国別に見てみると、ガーナやブラジル、ペルー、マレーシアなどでは、持続可能な熱帯林は前回調査時に比べて増えているが、武装紛争が多い国では管理の取り組みがほとんどなされていない。また取締りが不十分な国では、違法伐採が起きているという。