被爆樹木数百年生きて
・毎日新聞 2006/7/12
広島市内には約160本の被爆樹木があり、それらをボランティアで診察する樹木医の堀口氏は、「あと数十年で被爆者はゼロになるが、樹木は今後数百年行き続けます。被爆の実態を伝え、人間の愚かな行為に警鐘を鳴らし続けてほしいです」と・・・。堀口氏は宮崎県生まれ、山、森が遊び場のところでそだったが、大学4年生のとき、屋久島のそびえたつ縄文杉を見て、神々しさを思い、木に関わる仕事がしたいと思い、広島の造園会社に就職。そして焼き野原で芽吹き市民に生きる希望を与えた被爆樹木が気になり、1991年樹木医の試験を受け、合格、1995年には樹木医業としての会社を設立し、被爆樹木中心に治療に専念。1995年核実験を行ったフランスで樹木医の国際学会があり、その際に被爆アオギリの種を配ったところ、大半の人はその存在を知らず、説明をすると会場から拍手がわきおこった。1997年には長崎市の被爆クスノキ2世を育てる中学生と交流行った。被爆樹木に平和の願いを込める活動は伝わりやすいと話す。