根来山げんきの森倶楽部
・毎日新聞 2006/7/11
和歌山県北部、和泉山脈に県立森林公園「根来山げんきの森」(和歌山県岩出市)がある。新義真言宗総本山・根来山や県の植物公園も近く、昨年は家族連れなど役3万人が訪れた。森の管理運営を行っているのは、NPO法人「根来山げんきの森倶楽部」(森山進一郎理事長)である。元々は森林公園整備のために県が募集したボランティアの集まりで、2001年に事務局を独立させた。会員は約250人おり、会社員や公務員、主婦など様々である。毎月第3日曜日に活動しており、内容は幅広く草刈や間伐などのほか、花壇や歩道の整備、炭焼きなども行っている。2002年5月の公園オープン以降は、毎日倶楽部のメンバーが2人駐在し来園者の案内などにあたっている。かつて放置されうっそうとしていた森は、整備され快適な空間になり多様な植物が育つようになった。管理棟や駐車場などの一部を除いてほとんどの施設が手作りである。また車椅子でも散策できる遊歩道やベンチも作られた。森林整備で出た木材を活用した炭焼きイベントや、植物の観察会なども定期的に開催している。森での活動はメンバーだけにとどまらず、漁業関係者による植林、近くの大学生が歩道を整備するなど、輪は広がっている。しかし倶楽部のメンバーが固定化しつつあることから、新しい人材の確保が課題としてあげられている。定年退職を迎える団塊世代に、第2の人生を楽しむ場として参加してほしいと岡田理事は呼び掛けている。