富士山にヤナギを植える
・毎日新聞 2006/7/5
市民団体富士山ナショナル・トラスト(会員約400人)は富士山南東斜面での緑化活動に取り組んでいる。結成のきっかけは95年3月の砂れき地帯を襲った雪代で幅約3.5キロにわたり3キロ以上も斜面を流れ下った。わずか15分で100~150年かけて植生を標高1450メートルまで拡大してきたカラマツ林が標高1200メートルまで押し戻されたのだ。花田文夫事務局長は「創立した96年は数人だったが、05年度には5000人以上が参加し、年々増えている」と声を弾ませる。地元で砂れき地帯の調査をしていた渡辺健二さんお呼びかけに仲間が応じ「実践第一」をモットーに乾燥に強いバッコヤナギを植えはじめた。緑の復元は簡単ではなく、一体を草原にしようとバッコヤナギの苗のちかくに草の種をまいたが、日陰や風除けが足りず育たなかったこともあったが、円形に立てた竹さくの影に植えたところ影から草木が根付き始めた。現在では緑の面積は16ヘクタールまで堀狩り、企業や地元の協力を得植栽を続けている。メンバーは「一人一人が自分の手で木を植えることで、富士山とふるさとを愛する心を育てたい」と願う。