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新聞からの木の豆情報

間伐材使用が森林保全

・毎日新聞  2006/7/3
神戸市の株式会社ハイネリーは石鹸の製造加工専門会社。台所用、掃除用、洗濯用と様々なせっけんを作っているが、すべてのせっけんが薪燃料でつくられている。釜炊き方というのは天然の油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、または苛性カリ(水酸化カリウム)を加え、加熱して化学反応(鹸化)させる方法で、加熱の際に薪を燃やして釜を炊く。工場にはレンガ造りの炉があり、大きな釜では鹸化の進んだ油脂がゆっくりと攪拌されていた。薪では燃料効率が悪いと思われているが、じっくり長く火力が続く薪は、煮たり焼いたりする用途には逆に効率がいい。最初に釜を暖める時にちょっと多めに薪を入れるが、一旦温まれば薪は数本入れるだけで十分。鹸化の時に発熱するし、あとは数本の薪を加えるだけで薪が足りる。ハイネリーでは1947年の創業からずっと薪を使っている、使用する薪は年間7トン(約1000束)ガスや石油を燃やすより加熱具合がゆっくりなので、鹸化もゆっくり進む。油脂と苛性ソーダを反応させる時に急ぐと旨く鹸化ができない、そういう意味でも釜炊き法はせっけん作りに最適である。毎日使っている薪は、近所の業者から仕入れているが石油を使うより断然安く上がる。薪の原料である間伐材は、その使用量が増えることによって、森の手入れが進み山の保全につながる。木々が豊かに茂ることによって酸素が生み出され、二酸化炭素が固定化される。燃料費が浮くだけでなく、日本の山を守るため、薪はもっと使わないといけない燃料だと言える。ハイネリーでは廃油せっけんも作っているが、これもバイオマスのいい事例である。廃油せっけんと聞くと、においが悪いというイメージを持つ人もいるが、ここの廃油せっけんはきちんと精製した廃油を使うのでにおいはほとんどない。廃油だから臭い、薪だから火力が弱い、ではなく、特性を知って使えば十分に役立つだろう。

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