山仕事の再現
・毎日新聞 2006/6/19
山林の斜面に組み上げられた2本の丸太のレール、丸太の上には半円柱状の材木が渡されている、木材を満載した”そり”が下る。スピードは木材の重さと木材につながれたワイヤロープのブレーキ、そして人力で調整する。一昨年秋に再現された伝統的な木材搬出方法「木馬」
都内の市民グループ「おのおのの会」=羽鳥孝明氏(52)=は1997年12月からこうした技術の記録・再現に取り組んできた。職人技にこだわるのは、「林業文化を後世に伝えるため」と話す。国勢調査によると都内の林業人口は00年で577人と20年間で741人減った、全国でも67153人になってしまっている。これまでに造林や伐採、運搬といった林業の職人約10人を探し出し聞き取り、技を教えてもらい「聞き書き、山の親父のひとり言」とその続編の2冊の本にまとめた。 職人技は後継者不足や森林荒廃など多くの問題を抱える山に関心を向けさせる手段でもあ
る。