里山、手作り森林
・読売新聞 2006/6/5
京都府宮津市の山腹にある、NPO法人の「地球デザインスクール」が運営している「里山市民園」では、環境と共生する生活の試みが始まっている。この里山では、土を耕さない「不耕起」という手法で米作りに取り組んでおり、荒れた田畑や山林を切り開き、持続できるような「里山生活」を目指している。団体独自の「里親」制度に応募した人たちが作業をしており、近隣の府県から参加した約50人の里親が協力し合っている。04年春からは、毎月第4土、日曜日に「ぐうたら農学校」を開いている。里親にならなくても参加ができ、自然農法などが専門の京都大学西村和雄講師を先生に、有機農業を実習している。また、「手作り森林鉄道」をめぐらす計画もあり、市民園を含めた1.4立方キロメートルの山林に、燃料や建材になる木を運ぶ予定である。試験的な線路を04年から小学校跡地に作り、枕木を置く作業に地元の小学生も加わっている。小型電気機関車の車体はヒノキで作られており、太陽光、風力発電から充電している。他にも炭焼き、海水を使った塩作り、植物油からディーゼル燃料作りなどさまざまな実習を行っている。キーワードは手作りで、目標は自給できる地域と人を育てることだ。