イチジク
・日本経済新聞 2006/6/2
イスラエルなどのチームが、2日付の米科学誌サイエンスに、約1万1千4百年前の中東ヨルダン渓谷にある遺跡の住居跡から、人間が栽培したと考えられるいちじくの化石を発見した事を発表した。1000年近く穀物栽培が始まったと考えられている時期より古いことから、最古の農作物の可能性がでてきた。300以上の果肉の粒と直径2センチ弱のいちじく9個が発見され、実は熟しているのに、型崩れが少ない事から、食用に干した可能性があるとみられている。いちじくの種類は「種なし」で、受粉せずに実を結び、味もよいと考えられるが、自然には増えない。また、いちじくは挿し木で簡単に増え、栽培が容易である。このようなことからもブドウやオリーブなどより先に人間が栽培を始めたのではないかと、チームは指摘している。