森の動物園
・読売新聞 2006/5/29
吉野杉の産地、奈良県黒滝村の山道の路肩には、村の森林組合で働く梶谷哲也さん(32)のチェーンソーを使い、切り株を彫る「チェーンソーアート」の作品が並んでいる。まるで動物園のように、クマやフクロウ、リスなどの動物達が約30並んでいる。梶谷さんは23歳の時、就職雑誌で森林組合の求人を見つけ、自分の手で木を切る感触はどうだろうと思い、やってみたくなったと話す。黒滝村では40年前に100人いた山林技術者が、今は30人ほどである。4年前、梶谷さんはチェーンソーアートの記事を雑誌で読み、こんな作品を並べたら山に入る人が増えるのではないかと考え、講師として愛知県東栄町に招かれていた、米国人の世界チャンピオンに基礎を習った。そしてさらに独学で腕を磨いたという。今年1月に、村道脇の杉を伐採した事を聞き、所有者に動物園作りの許可をとり、動物達を作り始めた。地元の人たちは村をにぎやかにしてくれていると、喜んでいる。